気になったサッカーニュースがあったので、“それ”についての雑感。
ヨーロッパリーグ決勝を控え、ブカレスト入りしたアスレチック・ビルバオ。
ビルバオは、スペインのバスク地方に所縁のある選手のみで構成された、現代では“実に”珍しいチーム。
真面目で屈強、として知られるバスク人の集団に、アルゼンチン人の“変人”ビエルサが監督に就任したのは今シーズンから。
チリ代表をワールドカップでベスト16に導き、日本代表監督を打診されるも断り、ビルバオの監督となった。
“3-4-3”システムを駆使し、攻撃的サッカーを実践する監督で、“あの”グアルディオラが“師”と仰ぐ人物だ。
決勝戦が行われるブカレストに入ったビルバオ一団は、ホテルに到着。
案内された部屋は、選手がダブルで、スタッフはシングルルーム。
監督のビエルサはというと、“なんと”スイートルームが用意されていた。
「さすが、有名人のビエルサ!」
と言いたくなるが、ビエルサは“なんと”激怒!
他のスタッフ同様のシングルの部屋へと移った。
サッカーはあくまで“プレーをする”選手が主役!
監督といえど、スタッフの一員だ!
言ったかどうかはわからないが、きっとこういうことなのだろう。
スタッフが、“大切な”選手よりもいい部屋に泊ることは許されないと。
過去にも、似たような“事件”があった。
日韓ワールドカップの際、アイルランド代表の一員として参加していた、当時のマンチェスター・ユナイテッド“キャプテン”ロイ・キーンがキレて帰国してしまったことがあった。
発端は、飛行機の座席。
選手に与えられたのは、一般客と同じ“エコノミークラス”。
一方、首脳陣や幹部が乗っていたのは“ビジネスクラス”。
これでキーンはキレた!
「大切なのは誰だ!」と。
せっかくのワールドカップをフイにしてまでも、伝えたいことがあったのだ。
キーンの不幸は、ビエルサのような監督が代表にいなかったこと。
この記事をみてしみじみと思った。
「もしもビエルサが日本代表の監督になっていたら…」
決勝戦の相手は、同じスペインのアトレチコ・マドリー。監督はアルゼンチンが生んだ“ファール王”シメオネ。
当然、チームスタイルにも反映され、ファールすれすれの体を張った堅い守りと、カウンターを武器に勝ち上がってきた。
徹底的に相手の“良さ”を潰しにかかるアトレチコと、相手に怯むことなく、がむしゃらに“攻める”ビルバオ。
スタイルは違えど、共に“魂”のこもったプレーをするチーム同士の対戦。
ボール保持率が高い方が負けそうなチャンピオンズリーグの決勝戦なんかよりも面白く、感動が詰まった試合になるに違いない。

“ビシッ”とスーツで指揮をする監督が多い中、チームから“支給”されたジャージで指揮するあなたが大好きです!
頑張れビルバオ!