拝啓 日本代表さま-トレンドとギリシャ戦-

西村さんの“疑惑”の笛で始まったワールドカップブラジル大会はグループリーグの1回戦が行われ、徐々にだが、各チームの戦い方が見えてきた。

開幕戦のブラジル対クロアチアは西村さんの“笛”によってブラジルが勝利。
いい試合をしていたクロアチアにとっては実に後味の悪い敗戦となった。

開幕戦の審判を務めたのは西村さん率いる日本審判団。
誇らしい気持ちでいっぱいだったが、残念ながら審判が“目立って”しまった。
スポーツにおいて、審判は目立たなければ目立たない方がいい。

擁護する訳ではないが、南米と欧州では笛の基準が違う。
大男たちがゴール前でガンガンぶつかるヨーロッパでは、ボディーコンタクトの基準が“甘い”。
ファールと思われるチャージでも笛が吹かれることはほとんどない。
そのため、自国から欧州へと渡った選手は、まずこの基準の違いに戸惑う。

一方の南米は“マリーシア”の国。
相手のみならず、審判も欺きゴールを陥れる。
ちょっとぶつかれば倒れるのは当たり前なのだ。

今大会が行われているのは“南米”のブラジル。
そういった意味でも、西村さんの笛は意味深である。


ワールドカップは「その後4年間のサッカーの流れを読む場」とも言われる。
前回のワールドカップでは、スペインが“ポゼッションブーム”を巻き起こした。
日本もその“ブーム”に乗っかりポゼッションを志向している。

各チーム1試合を消化した時点で、今大会のトレンドを見ると、どうやら“5バック”が復権の様相だ。

スペインの大勝したオランダは、伝統の“ウイングサッカー”を封印し、全くらしくもない“5バック”を採用し、スペインのポゼッションサッカーを粉砕した。
そもそも、前回のユーロ大会でイタリアが実践しており(イタリアの方が攻撃的だが)、その効果は実証済み。
スペインの戦い方は世界中に知れ渡っており、用意周到のオランダに対し手ぶらで挑んでは勝ち目などなかった。

優勝候補の一角ウルグアイを破ったコスタリカも“5バック”だった。
ウルグアイの場合、システムに手こずったこともあるが、そもそも相手へのリスペクトを欠いていた。
いくら格下とはいえコスタリカもワールドカップ出場国。
ナメて勝てる程甘くない。

あとは、ブラジルと引き分けたメキシコも“5バック”。
“3バック”で戦ったアルゼンチンも実質は“5バック”といえよう。


“5バック”復権の理由は、スペースの消去。
ブームである“ポゼッションサッカー”はボールを細かく動かすことで相手DFの間にスペースをつくり、そこを突くサッカー。
容易にはシュートを打たず、完全に相手を崩してゴールを陥れる。

練習時間が限られる代表チームにおいて、さらには強者に対して弱者が戦いを挑み、“結果”を求めようとするのであれば5バックを選択するのは理解できる。

それは相手を研究した成果とも言える。


日本代表は、大事な大事な初戦でコートジボワール代表に敗れた。
1点を先制したものの、2点目を奪いにく勇気に欠け、分かりきってたはずの「ドログバ投入」後、2点を奪われて逆転負けを喫した。

ドログバは世界で最も有名なフォワードと言っていいほどの有名選手。
彼のことは誰でも知っている。
どんなプレーをするかも知っている。
要するにスペイン同様“丸裸”。

充分、対策を練ることはできたはずだ。

「自分たちのサッカーを貫く」
と耳触りのいい言葉を並べ、無策をひた隠そうとした監督には大きな責任がある。
明らかなる準備不足!

コートジボワール監督のラムシは、チームで最も有名な選手であるドログバをスタメンから外した。
コンディションが良くないらしいが、ドログバに依存しないチームづくり、ドログバ投入のタイミングなど、ドログバ不在時のシミュレーションがしっかりなされていたように思う。

一方の日本代表監督は、
「選手のコンディションが上がるのを待つ」
と言うが、その頃にはもうブラジルにはいない。


自分たちのスタイルを貫く時代は終わった。

これからはいかに相手の弱点を見出し、いかに効果的にそこを攻めるか。
あるいは、いかに相手のストロングポイントを消すか。
これからは“情報戦”。
今大会でトレンドになるであろう“5バック”にはそんな意味が隠されているような気がする。


香川と長友で構成する日本の左サイドは言わずと知れた日本の“ストロングポイント”だが、
一方で、日本の“弱点”であることが露呈した。

原因は香川が守備を“しすぎる”こと。

コートジボワール戦、香川は幾度となく最終ラインにいた。
結果として香川をマークはずの相手サイドバックは、香川のポジションに呼応するかのように、高い位置をキープした。
相手サイドバックが高い位置をキープすることは、日本の中盤の人数が足らなくなることを意味し、結果ポゼッションサッカーはできなくなる。
日本が志向した“ポゼッションサッカー”はあえなく崩壊した。

何の準備のしていない“手ぶら”の日本代表が蘇るためには、香川が高い位置をキープすることが最低条件。
香川が下がるから相手サイドバックが上がる。
香川が下がらなければ、相手サイドバックは上がれない。
上がったとしても自分の背後のスペースが気になって仕方ない。

香川が幾度となく最終ラインに吸収された時、日本代表のブラジルの旅は終わる。


拝啓 日本代表さま-トレンドとギリシャ戦-


同じカテゴリー(日本代表にモノ申す!)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
拝啓 日本代表さま-トレンドとギリシャ戦-
    コメント(0)