日本代表の欧州遠征が終わった。
親善試合とはいえ、フランスとブラジルというワールドカップ優勝経験国と戦い、結果は1勝1敗。
マスコミはさておき、サッカージャーナリストの見解では「いい遠征だった」という意見が多い。
個人的にも、今回の遠征は(少しだが)収穫があったように思う。
フランス戦は1対0で日本が勝利した。
後半43分、フランスのコーナーキックのこぼれ球を今野がドリブルで運び、右サイドを猛スピードで駆け上がった長友へパス。
それをトップスピードながらも折り返し、香川が相手ディフェンダーと競り合いながらゴールへと流し込み、これが決勝点となった。
詳細には触れないとして、この試合で気になったことを少し。
まずは本田に代わってスタメン出場となった中村憲剛。
そもそもの疑問なのだが、この選手はトップ下の選手なのだろうか。
パスはさばけると思うが、とにかくゴールへの意識が全く感じられない。
トップ下(この場合ワントップ下)は2番目に相手ゴールに近い。
にもかかわらず、シュートを打たない、ということはどういうことだろうか。
使うのであればもうひとつ後ろ、ボランチの位置ではないか。
次にワントップを務めたハーフナー。
前半押されまくった最大の原因。
前線に張っている(指示かもしれないが)だけだったため、中盤との距離が開き、結果として間延びするカタチになり、フランスにスペースを与えることになってしまった。
攻撃に関しても、ことごとく競り合いに負けた。
この先、この人がスタメンで出場することはあるのだろうか。
あるようであれば、日本のワールドカップでの活躍は“ない”。
そしてザッケローニ。
この試合でも効果的な選手交代はなかった。
貴重なサッカー大国との試合。
自身の采配もしっかりと試すべきだった。
そもそも一度もまともな選手交代を観たことがない。
乾を入れ、香川とトップ下に移動してから攻撃のカタチが作れたことを考えると、この監督は間違いなく選手交代が巧くない。
後半、幾度となくフランスの右サイドをエグりまくった長友は爽快だったが…。
本田圭祐が戻ってきたブラジル戦。
本田をワントップ(本人いわくゼロトップ)で起用。
香川のトップ下を期待したが、トップ下にはまたもや中村憲剛。
何度も言うが、憲剛はパサー。セカンドストライカーではない。
チーム内で2番目に相手ゴールに近い場所にはゴールを狙う姿勢が不可欠。
絶対に憲剛は適任ではない。
しかも、フランス戦で好プレーを魅せた乾をなぜかスタメンで使わなかった。
試合はPKで2点目をブラジルに取られてから、“近年稀にみる”雑な試合になった。
この試合では、ハーフタイムで憲剛を乾とチェンジ。
香川がトップ下に入り、「本田-香川ライン」を“やっと”観ることができた。
この二人が絡むと“何か”が起きそうな予感が漂い続けた。
最後までテレビの前にいることができた最大の要因だ。
ブラジルの守備は比較的“裏”にスペースがあったが、なぜかそこを突こうとしなかった。
裏を狙うタイプの宮市を入れたのは試合終了間際…。
結果的には岡崎の不在が響いた。
監督の采配については、もはや言いたくもない…。
結果は4対0でブラジルの勝利。
2試合を通じてわかったことがある。
守備的に戦えばある程度守れるということ。
本田と長友はワールドクラスであるということ。
本田と香川の距離が近いほど、攻撃力が増すということ。
清武も乾も、このレベルでは“まだ”通用しないということ。
長谷部、遠藤の後継者探しが急務であること。
試合の流れを自分たちで変えられないということ。
そして、監督がボンクラであること。
この2試合を踏まえて、今回“正しかったスタメン”を選ぶとすればこうなる。
[キーパー(1)] 川島
[ディフェンダー(4)] 内田 吉田 今野 長友
[ボランチ(2)] 細貝 中村
[ミッドフィルダー(3)] 宮市 香川 乾
[ワントップ(1)] 本田

実際は、本田・長友クラスの選手が最低でもあと二人は欲しい。
期待するのはやはり香川と吉田。ボランチに人材が少ないのが実に不安だが…。
この欧州遠征での感想。
一部条件付きだが、日本がワールドカップで“世界を驚かせる”チームになる可能性は十分すぎるほどある!