「ユーロ2012」はいよいよ今日から決勝トーナメントが始める。
グループAを勝ちぬけたのはチェコとギリシャ。
チェコは初戦で“本命”のロシアにけちょんけちょん(1対4)にやられたものの、その後は割り切った“堅守速攻”で連勝し、1位抜けを決めた。2位で抜けたのは“まさか”のギリシャ。開幕戦となるホスト国ポーランドの初戦では先制を許すものの、後半追いつき勝ち点1を獲得。予選リーグ最終戦となるロシア戦までは勝ち点1で最下位だったが、前半ロスタイムに先制すると、その後のロシアの猛攻に耐え勝利。最終戦でチェコ(勝ち点3)と対戦するホスト国のポーランド(勝ち点2)は勝利が絶対条件。前半から猛攻を仕掛けるが、後半になると完全に“ガス欠”。70分過ぎにチェコに先制されると、もはや反撃する力が残っていなかった。好チームだったので決勝トーナメントでも観たいチームのひとつだったが、最後まで初戦(ギリシャ戦)を引き分けたのが響いた。
“死のグループ”と言われたグループBを抜けたのは“順当”にドイツとポルトガル。
優勝候補のひとつに挙げられていたオランダだが、南アフリカW杯から続く“フィジカルフットボール”ではグループリーグ敗退は必然だった。タレント揃いのポルトガルだがC・ロナウド依存症がハンパない。もっと組織的にもできると思うのだが。攻めの形は“カウンターからクリロナ”だけ。クリロナが一騎当千の活躍をすることに期待するしかないが優勝は難しいか。一方でドイツは実に機能的だった。南アフリカW杯、さらにはその前のユーロ、ドイツW杯から続く“効率のよい”サッカーが大会を重ねるごとに成熟してきている。優勝候補の“本命”でいい。完全に他チームよりも頭ひとつもふたつも抜けている。
最終戦までもつれたグループCを抜けたのはスペインとイタリア。
初戦のスペイン戦で戦術的に“美しい”サッカーを展開したイタリアだが、終始主導権を握っていた2戦目のクロアチア戦を引き分けてしまい、ギリギリでの決勝トーナメント進出。とはいえ苦労しての決勝トーナメント進出は“いつも通り”。初戦、2戦目はデ・ロッシをセンターバックに起用した“3バック”で度肝を抜いたが、必勝の最終戦では“4バック”を採用。観た印象では縦に起点(最終ラインにデ・ロッシ、その前にピルロ)を並べた“3バック”の方が組織的だった。スペインは“相変わらず”中央突破オンリー。中盤の個人技がハンパないので勝ち上がったが、不安要素は多い。個人的には“唯一”のウイングであるヘスス・ナバスを起用し、サイドにも幅を持たせた方がいいと思うが。
グループDはイングランドとフランスが勝ちぬけ。
フランスはいい時の悪い時の波がありすぎ。イングランドに関してはほとんど観ていないのでわからない。
決勝トーナメントの組み合わせは
・チェコ対ポルトガル
チェコがいかにクリロナを止めるか、に懸っている試合。どっちも得点パターンが少なく、戦術的には見どころが少ないと思われる。
・スペイン対フランス
南アフリカW杯に続きチーム内でゴタゴタが勃発したフランス。こうなるといくらブラン(監督)でもどうしようもないか。スペインが圧勝しそうだが、そうなるとチームの欠点が見えずらくなる恐れがあり、連覇への道程はより一層険しくなる。
・ドイツ対ギリシャ
決勝トーナメント進出で満足している(と思われる)ギリシャと、優勝を目指しているドイツの対戦。ここについては波乱はない。
・イングランド対イタリア
守備的なイングランド対攻撃的なイタリアという構図。イタリアの不安は後半の攻め疲れとFWの得点力不足。バロテッリ以外のFWは似たタイプばかりのため、バロテッリが先発するとオプションが一気になくなるのが不安材料。有名チーム同士の対戦だが、“美しい”サッカーにはなりそうもない。
スペインは対戦相手・組み合わせに恵まれた感があり、決勝までは進みそうだが、どっかで負ける。しかしながら“美しい”サッカーを数多く観るためには、なんとか決勝まで勝ち上がって欲しい。
反対の山はイタリアに期待。準決勝でドイツと対戦できれば“組織的”なチーム同士の見ごたえのある“美しい”試合になりそう。決勝でスペインと対戦できれば、感情を揺さぶるような“美しい”試合になりそう。もちろん、ドイツ対スペインも“美しい”試合になりそうだ。
求めているのは極上のエンターテイメント。
その中心にイタリアがいてくれれば言うことなしだ!

この人が“爆発”してくれれば優勝間違いないんだが…。
そういえば、このゴール後に暴言を吐いててチームメイトに慌てて口を押さえられてたっけ。
違う意味で爆発しそうな気が…。