理想的なベスト4!

“20本”対“4本”。
これは、今朝行われた「ユーロ2012」のイタリア対イングランドにおける枠内シュートの本数。
イタリアが放った“枠内”シュートは20本。イングランド(4本)の5倍ものシュートを放つも引き分けに終わり、PK戦にもつれ込んだ。

巷ではきっと「決定力不足」と言うだろうが、試合を観た感想では「とてもそう思えない」。

“攻撃的”と言われる今大会のイタリアだが、ドイツやスペイン、さらにはポルトガルと比べても“得点の予感”が実に少ない。

理由ははっきりしている。

シュートの一つ手前、アシストのボールが実に“雑”なのだ。

アシストの手段は主にふたつ(しかない)。
右サイドを駆け上がったサイドバックからの“雑”なハイクロスか、ピルロやモントーリボから出される“雑”な浮き玉…。
フォワードはその“雑”なパスを“点”で合わせるしかない。
無理な体勢にくわえ、“点”で合わせることを強いられるため、コースを狙ったシュートなど打てるはずもない。
シュートの本数は稼いだが、得点の予感がしなかったのは、その“雑”なアシストのためだ。

スペインやドイツのアシストは“流し込む”だけで得点になりそうなものが多い。
“点”ではなく“線”で合わせれば得点になるのだ。
ピッチの上を滑るようにボールが動くのだが、イタリアのボールは“ポーン”と空に向かって打ち上げられる。
フォワードがどっちのボールを扱いやすいかは明らか。

スペインやドイツは、最終ラインの“一歩手前”に崩しのポイントを持ってきているのに対し、イタリアは最終ラインの“一歩後ろ”、裏のみを狙って攻撃をする。そんな“点”で合わせるだけのサッカーは効率が悪い。

PKにより準決勝に進んだものの、これでは苦しい。

準決勝のカードは、ポルトガル対スペイン、ドイツ対イタリアとなった。

依然ウイングを置かないスペインが、C・ロナウドとナニという世界最高級のウイング擁するポルトガルにどう対峙するのか。
現代サッカーでは、サイドにふたり(基本的にウイングとサイドバック)置くのが当たり前となっている。サイドから効率的に攻めるためだ。サッカーでは「サイドを制したモノが試合を制す」という言葉がある。360°敵に囲まれる真ん中に対し、サイドは180°。マイボールをキープしつつ陣地を奪いやすいし、真ん中に比べ人が少ない。そのためボールを前に運びやすい。「サイドはピッチの廊下」と言われるのはこのためだ。
そのサイドを“放棄”したサッカーを続けるスペイン。そもそもこの概念を最も重視していたのはスペインだったはず。スペインはウイング王国だったはずだ。
スペインを構成しているのはバルセロナとレアル・マドリー。両チームともウイングは外国人選手に頼っているという現状があるのも理由かもしれない。
実はスペインはいま、ウイング不足に悩んでいる。
その反面、史上屈指のテクニシャンが揃っているのも事実。
人材不足だから、サイドを捨ててまで、個人技を活かした“中央突破”の方が効果的ということなのだろうか。
このカタチで勝ち切れば“歴史的”なチームと言えるかもしれないが、“美しい”サッカーとは言い難い。

美しいサッカーとは“機能美”にある。

スペイン対ポルトガルの対戦は、“内”と“外”の対戦でもある。

ただスペインにも世界的なウイングがひとりだけ呼ばれている。
ヘスス・ナバスだ。
今大会も、彼の投入後にチームとしての美しさが増していただけに、投入のタイミングもポイントとなる。

ドイツはイタリアと対戦。
現在、地球上で最も“美しい”サッカーを展開するドイツに対し、イタリアはまさに手負い。
モッタにくわえ、大車輪の活躍を見せていたデ・ロッシも怪我…。果たしてドイツ戦に間に合うか…。
この対戦は、“線”対“点”。
線を繋ぎゴールへと向かうドイツに対し、イタリアは“点”でゴールを狙う。イタリアがゴールを奪うためにはバロテッリのアクロバティックな動きが不可欠なのだが…。

ベスト4のカードとしてはまさに“理想的”。
美しく、もしくは“激熱”な試合を期待!

理想的なベスト4!
ピルロの“スプーン(チップキック)”には腰が抜けた!マルディーニに「やめろ」と言われても“スプーン”をやったトッティを思い出したのは言うまでもない。ちなみにPK外したモントーリボが今年からミランに加入します…。


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