バルセロナ対アーセナルのチャンピオンズリーグ2ndレグ。
現在のサッカーで最も“スペクタクル”と“サスペンス”を愉しめる試合だ。
お互いコンパクトでポゼッション志向という世界的に見ても“異質”なチーム同士の対戦。“世界最高”のバルサに対し“スタイルを貫く”アーセナル。面白くないわけがない。
2ndレグも1stレグ同様、バルサが試合を支配。ボールポゼッションは7対3程にもなっていた。それでもアーセナルは守りに入らない。最終ラインを高く保ち、水際でバルサの攻撃を凌ぐ。どんなに押されても高いラインを維持したのはアーセナルだから。高い位置でボールを奪ってサイドに散らしながら相手ゴールに向かうのがアーセナルのスタイル。押されていようが関係ない。その姿はまるで映画の「ロッキー」。倒れても倒れても立ち上がるロッキーの姿にかぶる。
前半ロスタイム。セスクのミスを発端にメッシがゴールを決める。キーパーの手前でボールを浮かし流し込んだ漫画のようなスーパーゴールだったが、この人がやると普通のゴール。前半は1-0でバルサがリード。
後半に入り徐々にアーセナルがナスリを中心に攻め込む。バルサとアーセナルの差は選手層の差。ロシツキーの出来が悪かったため、ウォルコットの欠場が痛い。
後半早々、アーセナルが同点に追いつく。
CKからブスケツのオウンゴールを誘い同点。オウンゴール自体はしょうがないが、この日のバルサのCBは二人とも本職外。時間の経過とともにほころびが出そうな予感が漂う。
この時点でトータルスコアは4-3でアーセナルがリード。さらに盛り上がりだすこと請け合い。バルサは攻めるしかない。仮にバルサが2点追加したとしてもアーセナルが1点返せばアーセナルの勝ち抜け。バルサは失点もできない。1点ごとに勝者が入れ替わる。まさにこれからがクライマックスだ!
そんな最中、事件が起こった。
「アーセナルのファンペルシー2枚目のイエローカードで退場!」
オフサイドの笛の後にプレーを続けたためにイエローカードが出された。
汚く危険なファールならまだしも“こんなこと”で一人失ったアーセナルはその後失速。当然エンターテイメント性も急降下。3-1(トータルスコア5-4)で敗れた。
厳密に言えばイエローカードなのかもしれない。この日のカンプノウは超満員。悪意があったとは思えない。仮にあったとしても注意でよかったはず。世界最高峰の大会の世界中が注目する一戦。実にバカげたジャッジで台無しにされた。そもそも厳格にジャッジすることが審判の本当の役割なのだろうか?行き過ぎはよくない(南アW杯の決勝)が、考慮してくれもいいレベルの反則だったと思う。
試合展開は圧倒的にバルサペースだったため、結果は順当だったと思うが、間違いなくアーセナルにもチャンスがあった。後半ロスタイムまで“ゾクゾク”するような試合になったはずだ。それを審判に取り上げられた。
そもそも試合は誰のモノなのか?
選手?ファン?組織?審判?
少なくとも審判ではないはずだ。

バルサの勝利に異議はない。ただバルサを負かすチームがあるのならアーセナルであって欲しかった。
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